誌の雑誌 midnightpress 4号
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1999年夏 4号(1999年6月5日発行)

【主な内容 】
●詩作品 窪田般彌 江森國友 高橋啓介 笠原玉子 粕谷栄市 辻和人 根本明 岸野昭彦 田村雅之
●座談会 どこまで自分と向き合えるか 八木忠栄 ―いま、個人誌を出すこと 清水鱗造 須永紀子 松元泰介
●批評とエッセイ 「歴史という詩について」 中川千春/「下駄履き詩人の世紀末に衝突した三行」遠藤誠/「ガレージ・ランド」への思い 倉尾勉
●連詩「十勝川河畔の巻」 川崎洋 井坂洋子 小松弘愛 財部鳥子
●ポエトリー・コミック 長谷邦夫
●連載 辻征夫/福間健二/瀬尾育生/ご隠居と八っつあんの現代詩談義
●創作 「生贄」 福本順次
●詩の教室 高校生クラス 清水哲男/一般クラス 川崎洋
●詩の相談室 高取英

コラム 磯村英樹/北野英昭/根石吉久松岡祥男


■表紙「海水浴(月海犬)」・目次・本文イラスト/永畑風人
■写真 野口賢一郎



『詩の雑誌midnight press』第4号をお届けします。――と書いて、いささかの感慨を覚えないわけではない。季刊をうたう小誌としては、季節をひとめぐりしたことになる。もっとも、その時々の季節を楽しむ余裕もなく、無我夢中とは、こういうことだったのか…と振り返るばかりである。■ひとめぐりして、あらためて、季刊という速度を実感した。一方で、季刊という歩みは、連続と非連続を同時に生きることなのだと知った。この認識は、これからの小誌の編集に確実に反映されていくだろう。■現代詩は、これまで「主体」と「言語」との二極の間を揺れ動いてきたが、いつのまにか、その揺れがリアルなものとして読まれなくなってしまった。あらゆる場面において、「境界」が消滅しつつある現在、「主体」(個人)も「言語」(日本語)も相対化されてしまったことを考えれば、詩の言葉が力をなくしてきたことも理由のないことではないだろう。■だが、小誌の編集を重ねるにつれて、未来の詩に対して新しい考え方が自分のなかで生まれてきているように思わないこともない。たとえば、「主体」と「言語」という二極に代わるものとして、あるいはそれを止揚するものとして「関係」(inter-)という言葉を考えてみよう。すると、詩の風景が、これまでと少し違ってみえてこないだろうか。そして、「歴史」という言葉が新しく立ち上がってこないだろうか。急ぐことはないが、課題のひとつである。■それにしても、今号の編集はタイトだった。事務所の引越しが重なったためだが(新しい住所は左記のとおりです)、これもまたスターティング・オーヴァーのきっかけとしたい。長谷邦夫氏の連載が始まった。次号からの大型連続対談スタート、またホームページのリニューアル、CD‐ROM詩集の創刊…など、さらなる充実を期したい。  (岡田)